先日のSPACE X DRAGONの打ち上げは興奮した。
注目したのは、今回のミッションで表示されたインターフェイスデザインだ。
打ち上げからISSとのドッキングに至るまで、同時中継されたその画面デザインが「いちいち分かってる」のだ。
それは、ブースター切り離しまでとISSドッキングまでの2モードあった。
まず打ち上げからブースター切り離しまで。画面には、中央に打ち上げからのタイム経過、その上を弧を描くようにミッションのポイントと現在の到達位置を表示。左にスピード表示。分かりやすいのはもちろんだが、かなり演出されている。これを見ている人間にこういうの好きでしょ?と言わんばかりの仕掛けだ。
徐々に近づくISSをドラゴン側からのカメラが捉える。すると、ISSまでの到達距離、ロール角度やスピードなどがリアルタイムで確認できる。時が経つにつれ、接近するISSの解像度が上がり、鮮明に見えてくる。アイアンマンの入力インターフェイスのような洗練されたデザインは、まるでゲーム世界に入り込んだようだ。
民間企業ゆえにデザインを大事に取り入れているのか、単に数値が正確に把握できれば良い、ということではなく、見てくれている人に対して、より効果的に魅力を伝えたいという考えが伺える。
日本でここまでできるだろうか。
国家プロジェクトなら、なおさらデザインは重要視されないし、遊びじゃないって言われそうだ。こういうものを見ると、デザインがしっかりと生活に溶け込んでいる社会性を羨ましく思う。例えば、車のコックピットのデザインって、日本車は誰もが不快に思わないデザインになっているけど、欧米の車は、その車を“買いたいと思う層が好む”デザインになっている。ランボルギーニなんて、あの手の車が“好きな人”しか受け入れられないディスプレイデザインしているし…。
壮大なミッションを漠然と「すごいぞこれは」と思わせることは、今後のブランドデザインに大きく作用する。こんなすごいことやるぞ、という子どもの夢みたいなことを本当に実現して見せてくれるんだもん。そこが憎らしいほどたまらないよ。